3行のメールに30分。総務の「文章づくりの時間」、AIに取り戻してもらいませんか

AIで効率化

「社会保険料が変わるお知らせ、全社にメールしなきゃ」

そう思ってパソコンの前に座ったのに、気づけば30分。書いては消し、「この言い方だと冷たいかな」「これで伝わるかな」と悩んで、結局送れたのは昼前――。

総務や人事のお仕事をされている方なら、心当たりがあるのではないでしょうか。

私は製造業の人事部門で29年働いてきましたが、振り返ると総務・人事の仕事の中で、いちばん時間を溶かしていたのは「文章を作る時間」だったと思います。お知らせ、リマインド、回答メール、掲示文。1通1通は小さいのに、積み重なると1日の大きな部分を占めていました。

この「文章づくりの時間」、いまはAIにかなりの部分を任せられます。今日は、私が実際にやっている使い方を、そのまま真似できる形でご紹介します。

なぜ総務の文章は時間がかかるのか

理由ははっきりしています。総務の文章は「間違えられない」し「角も立てられない」からです。

  • 制度やお金の話が多く、不正確なことを書けない
  • 全社に届くので、言い方ひとつで印象が変わる
  • 「偉そう」でも「頼りなさそう」でもいけない

つまり、悩んでいる時間のほとんどは「内容」ではなく「言い回し」に使われています。ここがポイントです。内容はあなたの頭の中にもうある。言い回しだけなら、AIが得意です。

AIに下書きさせる3ステップ

やり方はシンプルです。ChatGPTでもClaudeでも、会社で使ってよいとされているAIなら何でも構いません。

ステップ1:伝えたいことを箇条書きでぶつける

きれいな文章にする必要はありません。たとえばこうです。

全社向けのお知らせメールの下書きを作ってください。
・9月分から社会保険料が変わる
・給与明細の控除額が変わって見えるが手続きは不要
・質問は総務まで
丁寧だけど堅すぎないトーンで、200字程度でお願いします。

ステップ2:出てきた文章を「直す」

AIの下書きは8割の完成度です。自社の呼び方(「社員のみなさま」か「従業員各位」か)や、固有の事情だけ手で直します。ゼロから書くのと比べて、この「直すだけ」が圧倒的に速い。

ステップ3:自分の目で最終チェック

日付・金額・名前は必ず自分で確認します。AIは言い回しのプロですが、あなたの会社の事実は知りません。事実はあなた、言い回しはAI。この分担が鉄則です。

ひとつだけ、必ず守ってほしいこと

便利さの前に、大事な注意をひとつ。

個人情報や社外秘は、AIに入れないでください。

社員の名前、給与額、評価、健康情報。こうした情報は箇条書きに含めず、「Aさん」「◯◯円」とぼかして下書きさせて、送る直前に手元で置き換えれば十分です。これだけで、安心して使えるようになります。

「メール以外」にも同じ型が使えます

この「箇条書き→下書き→直す」の型は、お知らせメールだけのものではありません。

  • 社内掲示文・回覧文
  • 就業規則を変えたときの周知文
  • 新入社員向けの手続き案内
  • 会議の議事メモの清書

私自身は、社内規定の点検にもAIを使っています。「規定を1か所変えたら、連動して直すべき場所を洗い出させる」という使い方で、これは手作業でやると本当に抜けが出やすい仕事です。

その「規定点検用のAI指示文」は、チェックリストとセットにしてココナラで公開しています。すぐ使える形の指示文が4本入っているので、「うちの規定、法改正に追いつけているかな…」という不安がある方は、のぞいてみてください。

改定もれ防止チェックリスト+AIプロンプト集【製造業人事29年】

おわりに

文章づくりの30分が5分になると、1日がすこし変わります。浮いた時間で、本来やりたかった仕事――現場の話を聞く、制度を見直す、あるいは定時で帰る――ができるようになります。

まずは今日の1通、箇条書きからAIに渡してみてください。

※本記事は一般的な情報提供です。個別の労務判断は、社会保険労務士等の専門家にご確認ください。当方では特定の手続き・規程作成の代行は行っておりません。

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